”まれびと”は、キレイめに言えば”客人(まろうど)”、キツク言えば”よそもの”か。私も初めて沖縄を訪れたとき、”まれびと気分”を味わった。お年寄りの話す琉球言葉(ウチナーグチ)がさっぱりわからなかったことを思い出す。
本書は、沖縄がもともと日本のモノでも、アメリカのモノでもなく、沖縄人自身のモノだったことをあらためて気づかせてくれる。
日本が室町時代初期の頃、沖縄は琉球王朝のもとで最盛期を迎えようとしていた。その頃の琉球は、中国(明朝)、朝鮮、日本の東アジア圏と東南アジア諸地域とを結ぶ交易センターとして機能し、中継貿易国として栄えた。現在、領有権を巡って日中間でもめている”尖閣諸島(中国名・釣魚島)”は、中世の船乗りにとっては中国と琉球の大動脈だった福建~那覇ルートの重要な目印だったろう。おかしくなるのは日本が力づくで琉球世界を併合してからだ。「薩摩侵攻」や「琉球処分」以後の、日本側からだけ見た押しつけの世界観では沖縄の歴史も文化も見えてこない。
本書は歴史本ではない。が、読み終わると沖縄が歩んできた道がよくわかる。著者のご両親は沖縄人だがご自身は東京生まれだそうだ。しかし自分のルーツであり、両親の生まれ育った沖縄を心から愛しているんだなあ、と感じた。それは、くだらないナショナリズムとは別物だ。ちなみに、著者は女性。
『歴探おススメ本』のエントリ
- 『オバサンとサムライ』養老孟司/テリー伊藤 宝島社(C)2004
- 『伽耶(かや)は日本のルーツ』澤田洋太郎・著 新泉社(C)1994
- 『忘れられた日本人』宮本常一(みやもと・つねいち)・著
- 『収容所に生まれた僕は愛を知らない』KKベストセラーズ(C)2008
- 『全集 日本の歴史 第9巻 「鎖国」という外交』ロナルド・トビ著 小学館(C)2008
- 『まれびとたちの沖縄』(小学館101新書)与那原 恵(よなはら・けい)著
- 『カムイ伝講義』田中優子・著
- 小説『悪党の戦(あくとうのいくさ)』金 重明(キム・チュンミョン)著
- 『バルサとレアル スペイン・サッカー物語』
- 『百済武寧王の世界 海洋大国・大百済』蘇 鎮轍(ソ・チンチョル)・著
- 『日本人よ! 』Ivica Osim著、長束恭行・訳



